アメトーーク「ひとり旅芸人」 を期待して見てみた感想

数年前は毎週欠かさず録画視聴したエポックメイキング的なこの番組も、近年はまあ家で暇してて気が向いたらチャンネル合わせるかな、ぐらいの位置に落ち着いている。
が、今回はテーマを見て、こいつは久々に録画してみようかなと容量の空きの殆どないHDレコーダーにぶち込みつつ、リアルタイムより数分遅れで追いかけ視聴してみた次第。

当ブログで大好評……かどうかは不明だが、それなりに送り出し甲斐のあるシリーズとなっている旅打ち日記。

 

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この辺りお読みいただくと、自分がひとり旅をこよなく愛するヤツだというのはお分かりいただけるんじゃないだろうか。
なお、競馬に魅入られる前も、貧窮につき年イチぐらいで大体18きっぷ系を使用しての国内旅行ではあるが、ひとり旅を楽しんでいた。

20代半ばのこと。それまでは修学旅行にも難色を示すほどの出不精だったのだが、突然旅立ちたくなり、実際旅立ってみて、ひとり旅にハマってしまった。
思い出せる限りで北海道旅行、本州一周、仙台・定義山の油あげを食べに行く旅、お伊勢参り、富士登山、富山八尾のおわら風の盆……すべて1人で行ってきて、とても楽しかった思い出として残っている。

そんな自分をまた旅に出たいと突き動かしてくれるような放送が見られるかどうか。刮目して視聴した次第。

 


結果からいえば、期待していたほどは面白くなかった。
自分が思うひとり旅の醍醐味---道中と旅先で孤独に、でも気ままに過ごすことの豊かさはほぼ語られず、店に入れるとか予約が取れるとかといった旅の裏ワザ的な、本質とかけ離れた部分の話題に多くの時間が割かれていたのは実に残念。
友近の、車窓を眺めながら好きなBGMにのせて、頭の中でおかしなストーリーを展開するといったことこそが、ひとり旅ならではの楽しみであって、そういう話をもっとたくさん聞きたかった。

岩尾が犬と一緒に伊豆に訪問するVTRに至っては、あんなものひとり旅でも何でもなく、まったくの不要。まあ後藤のツッコミはさすがではあったが。
あと後藤のギターはもっと余計。

番組を通して、グループ旅行派(それも対等な間柄ではない後輩に傅かれ気を使わせての代物を楽しめてしまう人たち)の浅さ、その不自由さへのアンチテーゼとして、ひとり旅の価値を示すという構図になっていたのも何だかなあと。
まあ「グループ旅行もそれはそれで楽しいものだが、ときに一人で旅情を味わいたい、みんなでワイワイが少し厭わしく思えることもある」という心情を、矢作が「疲れちゃう。イチイチ面白そうで」とポップに、それでいてトゲのない言い方であらわしたのは見事だなあとは思ったが。

多分千原ジュニアも後藤も一人で過ごすことの良さを理解できない人とは思えないので、番組上ああいう役割に回っていただけだろうし、きっちり仕事を果たしていて流石だと思う。
でも、個人的にはこの役割自体不要で、雨上がりがひとり旅芸人に、その良さ、醍醐味を聞いてくだけで良かったのになあと。ひとり旅は自由で楽しくも寂しく、だからこそ良いものだということを、眞鍋かをりあたりはオンエアされてないところではもっと語ってくれてそうな気もするのだが、どうなのだろう。

何よりも。
この放送を見て、特に旅に出たくはならなかった。
残念ながら自分には響かない番組だったと言わざるを得ない。

むしろ予告見てカレーは食いたくなったけど。