旅打ち日記 名古屋編Ⅱ② 中京競馬場 2018.12.02
何が何でも指定席ゲットしたかった日曜中京だったが、あえなく抽選で弾かれ、空席販売でも拒否され、持たざる者として現地入り。
抽選ステージ一般→ブロンズにアップした恩恵がスプリンターズSの当選のみで、あとは皆無となると次期は考えもの。現在4回来場なので有馬が当たれば問題ないが、外れた場合ステージ確保のために今月中に中山の高っかい指定席を敢えてとるべきかどうか……
まあ余談はさておいて、東岡崎泊の明け日曜日は、もし始発前に目が覚めたら開門ダッシュに参加しよう、起きられなかったり目が覚めてもダルくて仕方ないときはホテルでのんびり朝メシ食って、昼頃来場して混雑の中立ち見にしようと二段構え。
果たして、まんまと5時前に目が覚めて、旅の疲れと昨夜の酒で身体はだるいものの、心の方は前のめり。まず仕事の時はこんなこと有り得ないのだが。
うっかり朝食付きプランにしていたことを悔やみつつホテルをチェックアウトし、第0レースにエントリーするため始発の名鉄に乗り込む。
中京は駅から競馬場まで結構な距離があるのだが、そこでも小走りの人がチラホラと。既にレースは始まっているといったところか。
到着は6時頃だったか。きちんと人数揃ってれば指定席も余裕で買える。一般席もまあいけるだろうなって人数。
さすがに寒かったが、ブログやら澤多莉さんやら書いていたら時間が過ぎるのはあっという間。この日の開門時間8時を迎える。
初体験の開門ダッシュ。自分は第2陣の好位から中団といった位置だったが、まあ押される押される。群衆にもぎりブースが破壊されていたが、中のお姉さんは無事だったろうか。
てか「マジなんなん、あのキ◯ガイ連中!」と憤っている可能性が高いと思われるが、まあ不可避だろう。
一度競馬ファンはゲート再審査を義務付けた方が良い。
それはさておき我がレース。
先月参加のハーフマラソンでは約95分と、年齢の割には健脚の方であるとは思うが、旅の荷物がぎっしりつまったリュックを背負っており、斤量に泣いた形。次々と抜かされていく。
荷物係無しのソロで開門ダッシュに参加する際はどれだけ身軽にできるかが寛容。遠征の場合ならホテルに荷物を置くために連泊必須であることを学ぶ。
それでも鍛え上げた持久力でタレずに席まで辿り着き、ゴール板近くの好位置を確保。
欲を言えば屋外2階席の方がより見やすいのだが、見やすいがゆえに競争率も高い筈。万一確保失敗した場合のリスクを考え、安全度の高そうな1階席にアタックした次第。
限られた時間で進路取りの状況判断を迫られるのは、競馬も開門ダッシュも、そして人生も変わらない。
ほっと一息つき、朝メシなど決めつつ新聞で馬柱眺めていると、第1レースが始まる前に馬場にある男の姿が。
我らがいっくん、福永祐一。この日の大一番で我が本命馬に騎乗する男である。
よもやお散歩に出てきたわけではあるまい。勝利のために丹念に馬場の状態を確認するその姿はあたかも一人の侍のようで、実に頼もしい。
この男にならすべてを託せると確信を抱く。
他にも朝早いレースからデムルメが揃い踏みしたりモレイラがいたりと、さすがGⅠデーということで、スター騎手は藤田菜七子ぐらいだった前日と異なり、ジョッキーも豪華絢爛。
そういえばローカル開催が荒れやすいのは、腕前の未熟な騎手が多く、馬が正しく力を発揮できないケースが多いからと聞いたことがある。
なるほど昨日のボウズはそれが原因だったか、それなら今日は大丈夫な筈と勢い込んで馬券勝負に打って出る。
…………
…………
瞬く間に10レースが過ぎ、昨日の14連敗は24連敗に伸びていた。
頭がクラクラする。何だこれ。何でこんなに当たらないんだ。
前日と違い、馬連で1・3着とか3連複で1・2・4着とか、迷って選ばなかった方が来ちゃったりとか、ハズレの質はややマシにはなってるものの、所持金が無くなっていくことには何ら変わりはない。
当たったといえばコレぐらい。
B賞のカップセットをゲット。純銅ってどれぐらい価値があるのかな、うまいこと箱に勝利騎手のサインでももらえれば高く転売できるかななどと良からぬことを考えたり。
「オレは始発で開門に並ぶけどそれには付き合わなくていいよ。第1レースは10時頃からだからテキトーに来てくれ」と伝えていたところ、14時頃悠々と現れた友人に、苛立ちのあまりグーパンを決めそうになったり。
そうこうしているうちに、場内は人で埋め尽くされていき、いよいよ大一番の時間。
邪念を振り払い、大一番のチャンピオンズカップに臨む。
当たるには当たった。コレ押さえられれば八割方勝ちともいえるウェスタールンドをしっかり高めの評価で押さえていた。
が、買い方のマズさで大魚を逃した感の方が圧倒的に強く、事実上負けた気分。
なお朝の福永さんはおそらくお散歩でも楽しんでいた模様。
栄光を勝ち取った優駿と、久々のGⅠ勝利で感極まってるようにも見えるミルコ・デムーロの姿を呆然と見やる。
半分屋根が隠しているが、右上には我が本命馬を苦しめたという西日。もしこの日が曇り空だったら結果が変わっていたのだろうか。
おもひでぽろぽろの主人公が晴れや雨より曇りの日が好きだっていうのはこういう理由なのかなと思いを馳せたり。
最終レースで安い3連複を広い、大連敗からラスト2レースは一応勝ちという、精神衛生上悪くない筈の幕引きだったが、どうにもトータルの負け額以上に気が沈む。
なまじGⅠ開催場であるがゆえに、ここに来るのは年2回のGⅠデーいずれかとタイミングが合ったときになるだろう。
来年はおそらく難しいとして、再訪のときは再来年か、更にその先か。
いずれにしても、このまま惨敗したままというわけにはいかない。
おぼえてやがれ、中京。
おぼつかぬ足取りで名駅へと。
ガッズィーラにねじられたという名物ビルを横目に、晩メシをキメにいく。
デートにピッタリなおシャレな串揚げ屋さん。
カウンターに案内されたのだが、他4組ぐらいはみんなカップルで、うめーうめーとガツガツ食らう四十男二人組なんて我々以外に見当たらない。
腹もパンパンになり、早朝に起きたので眠気も限界という自分に、折角なんで鯛茶漬けの有名店に行こうと言ってくる友人。
そりゃテメーは14時頃にノコノコやってきたんだから元気だろーよとグーパン決めることなどせず、黙ってついていくオトナなわたくし。
安ホテルに辿り着き、ベッドに倒れ込みつつテレビをつけると、漫才コンテストの最終3組の決戦が行われていた。
みんな面白かったのだが、なにぶん混濁した頭での視聴だったためよく覚えていない。
ただ霜降り明星の「学校でしゃべるな!」というパワーワードだけは頭にこびりつき、番組が終わった後もホテルの狭い部屋でひとり、そのワードを連呼してはクスクス笑う疲労困憊の酔っ払い。
「学校でしゃべるな……フフッ、学校でしゃべるな、プークスクスクス、学校でしゃべるな……ゲラゲラゲラゲラ」
名古屋の夜は更けていく。