旅打ち日記札幌編② 札幌競馬場 2017.08.20

旅打ちを決めた当初の想定よりは、だいぶ小粒メンバーになってしまった札幌記念。
されど馬券師として乾坤一擲の勝負の場であることに変わりはない。
札幌市内の安ホテルにて、厳かな気持ちで起床する朝。窓からの日差しに、今日もまた暑い戦いの日になるであろうことを予感する。

いつものごとく指定席など取れやしなかったため、朝はあえてゆっくり。
前夜や早朝から頑張って並んで、確保した席を炎天下の中守り続けるよりは、のんびり行って場内をフラフラし、メイン近くなったら立見で良い感じで観れる場所をキープしに動く方が心身の消耗も少なく、自分の性には合っている。

というわけで、ゆったり朝の支度を終えると、本場に向かう前にまず札幌WINSへ。
WINS30周年記念とやらのハンカチと、2,000円分の馬券で参加できる抽選にてメラミンカップをゲット。

なおハンカチはサトノのやつでした。

さあいざ戦場へ。いや慌ててはならない、こちとら朝飯も食っていない。腹が減っては戦はできぬとばかりに、WINSのすぐ側にある蕎麦や定食のお店に突撃。
小ぢんまりした店内には、自分の他は外国人のカップルが1組のみ。競馬新聞眺めながら配膳を待っていると、テレビを高校野球から競馬中継に変えてくれる。
まあ、買ってない平場レースと甲子園なら、個人的にはどちらかといえば後者の方が……って気もするのだが、そこはご好意、食い入るように画面を見つめるフリをしてみたり。

注文したジンギスカン定食は普通に旨し。ニラなんぞふんだんに入っていて、スタミナもつきそうで競馬の前の勝負メシにはピッタリ。デート前にはオススメできぬ。
 



燃料もしっかり入れ、いよいよ2日目の札幌競馬場へ。地下鉄逆方向に乗っちゃったりとかしつつ、昼前に到着。
案の定、この時間で既に人で溢れかえっている。

自衛隊の方たちのミニ演奏会。
もはや懐かしの恋ダンスなぞ披露しており、周りから「よぉガッキーw」なんて揶揄されながらも、いっぱい練習したんだろうなあと感銘を受ける。

内馬場に足を向けてみると、こちらも盛況。競馬場に家族でテント持って来る層というのもいるんですねぇ。


メインスタンドの盛り上がりも、新鮮で素敵な眺望。


内馬場イコール見づらいという印象があったが、ここはかなり間近でレースを見ることができ、これまた新鮮で楽しい。

ゴール前だと日差しも雨も遮るものがないのと、ターフビジョンが見づらいというところが難点だが、曇りの日でグリチャWEBとかを手元で見れる人はここに陣取るのもありなんじゃないかと。

さあ、いよいよメインレース。
スタンドに戻り、8R後にイイ感じで観戦できそうな場所をキープ。ほどなくして、次々と人が群がってきて、通行も困難なほどに。
相対的に天皇賞春以上、ダービー未満といった混雑ぶりだろうか。今年の顔ぶれでコレだったら、ゴールドシップとハープスターの年なんてどういう有様だったのだろうかと。

返し馬。本命馬に願いを託す。

なお、結果は……

www.bakenbaka.com

長年競馬界を支え続けているベテランジョッキーの東西での勝利、伏兵の穴開けに熱狂冷めやらない中、よくよく考えたら今日ボウズじゃないかと気付く。いや気付いてはいたが、競馬場の楽しさを享受するあまり、現実を直視していなかった。

最終レースのパドックにて、逆転の望みを託す馬を探す。


うーん、この人はダメそうかなと。

当たり前のごとく最終も外し、ホノオ君でお馴染みの柳楽優弥さんがステージでお話されてるのを少し眺め、CMというビッグビジネスには参加しているものの、競馬自体にはあまり興味を抱いてはいないことを確認し、その場を後にする。
 



あっという間に二日間が終了。
トータルでは負け、二日目にいたってはボウズという芳しくない結果ではあったものの、猛烈に楽しかった。
やっぱ競馬場最高、旅打ち最高だなと。

ああ、ここにもっといたい。明日も来たいという名残の気持ちに引かれながら、この最高の場所としばしのお別れ。
これにてJRAの競馬場は8場制覇。残りは函館と福島。函館残してるんで全踏破は来年の夏まで持ち越しだが、いよいよゴールが見えてきた感がある。
次は紅葉色づく季節に福島になるだろうか。早くも思いはそちらに馳せていく。


札幌市街へ。

昨夜は勝負を控えていたゆえ、街の賑わいを見向きもせずホテルに直行したが、今日はフリーダム。さあ何を食べよう、どこで遊ぼう。


結局今日もホテルで一人飲みに落ち着く。
回転するけどクオリティ高いよって評判の寿司屋に行ってみたところ、90分待ちとかだったんで、そんだったらホテルに酒も残ってるし、テキトーに包んでもらって持ち帰ろってことで。

うまいうまいと飲み食いしながら、ずっと楽しみにしていた札幌旅打ちはもう終わってしまったんだなぁ、何で楽しい時間はあっという間に過ぎちゃうんだろうなぁと、子どものようなことをしみじみと思い、なぜか涙が頬を伝う。
まあそれは嘘だが、一種の感傷に浸ってしまったのは本当のところ。

楽しいことだけやって生きていたら、そのうち楽しくなくなっちゃうんだろうか。
そんな観念そのものが、酸っぱいブドウの自己肯定なんだろうか。

つまり何が言いたいかって。


遊んで暮らしてえ。


札幌の夜、しみじみと。