旅打ち日記 名古屋編Ⅱ① 中京競馬場 2018.12.01

2016年7月中京から2018年8月函館まで。

約2年に渡った旅打ち行脚を振り返り、去来するあんな思い出こんな思い出。
JRA全場制覇という三浦雄一郎氏や白石康次郎氏に劣るとも勝らない大冒険を成し遂げてからおよそ4ヶ月は追想の海で過ごしていた。

が、また大きな外海へ飛び出したい。またあのヒリヒリした世界へと打って出たい。まだ見ぬツワモノに出会いたいとウズウズしてしまうのは冒険家の常。
そうさ今こそアドベンチャーなどと口ずさんだりしながら旅の続きへと。

旅打ち第二章、開始。


今回の目的地はローカル場としては唯一のGⅠ開催場、そして記念すべき最初の旅打ちで訪れた地、なおかつ2泊3日でお手軽に行ける交通至便の地、尾張名古屋は中京競馬場。

前回は旅程の組み方がまだなっておらず、日曜の昼頃着と、競馬場を満喫するにはあまりにも短い来訪になってしまったので、今回は存分に楽しんだろうと土曜の早朝に出立。
てか、楽しみにしすぎだったかAM4:00には目を覚ましてしまい、以降二度寝にありつけずという有様。
年甲斐のないこと甚だしいが、実際はいよいよ不惑間近の年齢を思い、体力的に甚だ不安なところ。

夢の超特急での旅もすっかり手慣れたもの……なんてことはなく、金券ショップで買ったチケットによる券売機手続きに大いに手間取る一幕もあったりしつつ、ようやくのことで乗車。
別に横浜出身者のソウルフードでもなんでもないが、何となくシューマイ弁当なぞをおともに西の地へと。

おそらく十数年ぶりの崎陽軒だったが、相変わらずあんずを食べる適切なタイミングがよくわからない。

弁当を食い、ブログを書き、小説もどきを書いたりしていたら、新横浜名古屋間などはあっという間。むしろ時間が足りないぐらい。
つい今さっき雄大な霊峰を眺めていたと思いきや、気がついたら中京競馬場。



2年半ぶり2回目の風景。やはりここは良い。
小倉や福島のように風光明媚さに感動するわけでもない。函館のように海が見えちゃうなんてプレミアム感もない。阪神のように建物がめっちゃ素敵ということもない。
だが芝と砂のコースがあり、そこを馬が走り、熱狂する観衆がいる。それだけでもう最高すぎて。
こんな良い場所、今後できるだけ数を減らさずにあってほしいなあとつくづくしみじみ。

とはいえこの競馬場には大きな難が二つばかり。さすがにこれは指摘しないわけにはいかないだろう。

まずターフビジョンが小さいのが一つしかない上に、設置してある位置がよろしくない。

ただでさえ1頭ずつ寄りで映すときに全体の流れがよくわからなくなりがちなのに、1階席からだともろにゴール板と重なり、かなり見づらくなってしまう。
ガッポリ儲けてるだろうし、早急にコース中寄りに東京ばりにデカいビジョンを設置していただきたいところ。
 



そしてもう一つの致命的な欠点は、買うレース買うレース外れまくること。
それはお前に原因があるんだろ、などと浅はかな指摘をしてくる者もあるかもしれないが、そんなことはない。ないったらない。

てか本当に当たらない。てか外し方が尋常じゃない。
馬連で1着3着とか、ヒモ抜けとかタテ目とかなんてことすら滅多になく、真面目に検討して買ってるにも関わらず、買い目が全部掲示板外とかそんな外し方ばかり。

こりゃあかん、名古屋の悪魔に喰い殺されると馬場から避難し、彷徨い歩く。
と、可愛らしいのに出くわしたり。

癒されつつも、負けてなるものかと闘志も戻ってくる。
思えば地の利も得ぬまま戦に臨むのが無謀だったと、馬場を丹念に研究。

向こう側の鉄塔との角度を見れば、かなりの傾斜であることがよくわかる。
わかったぞ! こんな坂道のあるタフなコースってことは、先行馬が疲れてしまうんで差しが届きやすくなるんだ! そして後ろの馬も疲れるんで逃げも決まりやすいんだ!!

……その後も馬券は全く当たらない。


菜七子騎手勝利時のウイナーズサークルに群がる人々に混ざる気にもなれず。


途中から合流した名古屋在住の友人ともどもこの日はボウズ。
中山阪神の重賞を含め14戦14敗で終わるという、もはやボウズどころかスキンヘッドといった負けっぷりを披露してしまう。

友人とともに無言の行で電車に揺られ、この日の宿泊地、東岡崎へ。
名古屋界隈では宿がとれなかったのだが、まあ名鉄沿線なので中京競馬場を基点に考えたら悪い場所ではない。

ジンギスカンに舌鼓。競馬に勝とうが負けようがビールは美味い、肉も美味い。

ンマンマと食ってる時は気がつかなかった。
さすがにインナーは替えがあるものの、上着は同じのを着て過ごす2泊3日のこの旅程、ずっも羊肉くさい旅人として肩身の狭い思いをして過ごさねばならなくなったことを。


GⅠデーという大決戦の前に暗雲立ち込めまくりの中京初日。
果たして翌日は陽光照らす大逆転を果たすことができるのだろうか。
ネタバレ:できません。