2021 天皇賞(春) 感想戦

何度も述べているが、天皇賞春デーは自分にとって競馬にのめり込んだ記念の日。

あの日、まつりを歌う演歌の大御所が映るターフビジョンを背に競馬場をあとにしたこと。
生命をも削るような死闘をキタサンブラックが制し、最強を証明したその場に居合わせることができたこと。
我が永遠の愛馬がついに頂点に辿り着き、そしてそのままターフから駆け去ってしまったあの日のこと。

その多くが、きっとこの世から去る間際に走馬灯に出てくるであろう記憶としてはっきりと刻まれている。

さて今年は。

◆天皇賞(春)

◎③カレンブーケドール
◯⑭ウインマリリン
▲①ワールドプレミア
△②アリストテレス
△⑤ディアスティマ

【買い目】
3連複 ①②③⑤⑭
馬連 ③ー⑭
枠連 [1]ー[2]

 


【着順】
①ワールドプレミア ▲
⑫ディープボンド
③カレンブーケドール ◎
②アリストテレス △
⑭ウインマリリン ◯

ジャコマルとディアスティマがハナを争いペースはそこそこ流れるのは当然想定していたが、本命のカレンブーケドールはじめ有力馬たちがその2頭を離して見る位置でなく、しっかりついていったのは予想外だった。
当日の雨もにわか雨程度で、馬場は軽く速い状態を保持していたものの、さすがにかなりタフなレースになってしまう。

また、前のディアスティマを可愛がりすぎるとまずいと判断したのか、カレンブーケドールがいち早く仕掛けて前を捉えにいってしまう。
判断ミスとまでは言い切れないが、このペースであの位置どりでその競馬をやると、少し後ろで脚を溜めてたワールドプレミアやアリストテレスといった有力馬相手に残しきることは困難だろうと、半ば絶望。

それでも直線に出たところでのやはりトップクラスで戦ってきた馬と思える手ごたえを見て、コレはもらったんじゃないかと再び希望の灯がともったが、手ごたえで劣るように見えたディープボンドがなかなか垂れず、それどころかジワジワと伸びてくる。この馬に交わされてはどの馬券も当たらない。
更に外から、更に力強い脚色で迫ってくるのはワールドプレミア。こっちだけに交わされてのワンツーなら保険のような枠連を拾うことができる。

戸崎の名前を連呼するも、仁川の地には届かず。むしろ最も厳しい競馬をして3着に残したあたり、本当に馬は強いし頑張るなぁと感心できるが、馬券は空振り。
もちろん似たような競馬をして、コーナーからだいぶ苦しそうに見えたディープボンドのタフネスも素晴らしい。速さ勝負になると踏んで切ってしまっていたが、この展開だと当然強かった。

ワールドプレミアはこのメンバーでは走力も持久力もトップであることを示し、菊花賞以来一年半ぶりの勝利を飾った。
レースぶりを改めて見ると、道中しっかり脚を溜められたことも良かったが、向正面のうちに馬場の外側に出しているのがかなりのファインプレー。
もし長丁場だし内側も荒れてはいないしと経済コースに拘っていたら、垂れてくるジャコマルやシロニイを捌きつつライバルも交わさねばならない厳しい競馬になっていた筈。
まあそう難しいことをしたわけではないかもしれないが、しっかり仕事して自身初めての春の盾を手にした鞍上にもまた拍手を贈りたい。この快挙に笑顔もガッツポーズも見せなかったあたりも、さすがわきまえておられる方だなぁと。個人的にはそれはそれだし、別に良いとも思うが。


まあ今年は走馬灯入りは難しそうではあるが、レースそのものは福永騎手のコメントのように、強い馬たちが全力を尽くした良いレースだったと思う。
が、自分にとっては馬券は外したけどまあいいやというほどではなく。
どんなレースになるかを読み違えたことにより、ディープボンドを過小評価したのが明確な敗因。彼さえ飛んでいればチョイスした5頭で掲示板独占だったなぁとか言ったところで無意味で虚しいだけ。

GⅠの連勝もストップし、このまま負のスパイラルに入ってしまうのか。次週からは府中5連戦、なんとか無事に生還できるよう気張っていきたい。

できることならその歓喜を現地で……