新社会人になりそこねた若者たちへ贈る言葉

日々電車にて行き帰りしている中、
「どうも! フレッシュマンです! キラキラしてますでしょ!?」
といった風情の若若男女を目にする季節になった。

それを横目に舌打ち一つ、などというトシでもない。荒波に向かっていく若人たちに贈るべきは、イチャモンではなくエールであるべき。
もういくつ寝ると四十路、年の功ということで、本来であれば新社会人の皆さまに一つ二つ社会で生きていく上での教え・心得・金科玉条的なメッセージを送って差し上げても良い年配であるわたくし。

が、あいにく一回説明会行ったきりで就活ドロップアウトし、大学卒業後は熱くなるでもなく中途半端に夢追い活動をしつつ、テキトーにバイトとかしながら日々を無為に消費し、30過ぎてやっと潜り込んだ企業にて立身出世の見込みもないまま日々の時間を僅かな金銭に変えて暮らしている人間には、前途洋々な若者たちに投げかける言葉の持ち合わせなんてない。

少なくとも、新卒で正社員という位置にいる時点で、自分よりは遥かに社会を生きるという現実に対して自覚的である方たちなのだろう。
落伍者としては、ただただ皆様のご多幸を祈るばかりである。

 


しかし年をとった人間というのは、若者に何かしら言いたがるもの。
ここは、かつての自分と同じように、何となく社会に入りそこね、モラトリアムを延長したまま新しい季節を迎えた方々に、ダメダメな先輩から、おこがましくも贈る言葉。


・社会的身分や地位で人間の価値は決まらないけど、普通に他人から侮られたり、裏切られたりしやすい立場になったことは覚えておいた方が良いです。

・自分が社会の歯車にならなかったことの理由や意義は、もしあったとしても人に言わないように。
人生サボってる奴が自己正当化してるようにしか受け取られません。

・まして社会の歯車になった人たちを見下すのは論外です。あなたは彼らのようにならなかったのではありません、なれなかったのです。

・人のせいにするな、なんてことは言いません。人生の不本意は割と人のせいだったりします。
が、誰のせいだろうと、どうにかしなければならないのはあなた自身であることに変わりはありませんので。

・自分より惨めな境遇の人間を見て、コイツよりはマシだと心を慰めることは大いにやりましょう。
その相手もまた、あなたを見てそう思っている可能性はかなり高いですし。

・一度、今後の理想の人生と妥協した人生とを設計してみて、それぞれ生涯にかかる金銭を詳細に計算してみましょう。
想像力に乏しいあなたは、とりあえず40歳地点まで頑張って考えてみてください。

・もし身体的時間的に可能であれば、深夜のコールセンターでアルバイトしてみてください。
このまま落ちこぼれルートを進んでいった成れの果ての姿をいくらでも見ることができます。

 

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どうだろうか。

おそらく、こういう類の言葉が胸に突き刺さるような人は、かなりの確率で既に手遅れのような気もするのではあるが。

すべてのダメ人間に幸あれ。