2021 札幌2歳ステークス・小倉2歳ステークス・新潟記念 感想戦

夏の終わりはいつも寂しい。
9月に入り、(一時的ではあるが)めっきり涼しくなり、そして夏競馬が終わる。

夏の終わりを飾るのは、最北と最南のターフで争われる若駒たちの重賞と、2000mなのにワンターンという考えてみればなかなか稀少な名物重賞。

◆札幌2歳ステークス

【着順】
⑨ジオグリフ
⑦アスクワイルドモア
⑩トーセンヴァンノ
⑥オンリーオピニオン
②トップキャスト

ファンファーレ後に繰り広げられたのは、ドゥラメンテ産駒ということでロマン派からの期待も寄せられていたダークエクリプスが放馬しての外ラチ背面跳びという、衝撃的な光景。
あの高さから500㎏近くの巨体が背中から落ちて無事では済むまいと息を呑んだが、どうやら重傷ではないということでひと安心。
慎重に経過を見て、調教再審査も突破して、数ヶ月後にはこの出来事が笑い話になるような活躍を見せてほしいところ。

さて、レースの方もなかなか衝撃の光景。
出負け気味で最後方からになったジオグリフが、3コーナー前から進出をはじめ、ごく簡単に(見える感じで)先行馬たちに取り付くと、直線では持ったままぶっちぎり。ルメールも二度振り向くほどの格の違いを見せつけての勝利。
俄然年末のGⅠ、そして来春の有力候補だと賑わせているが、気になるのはゲート難が慢性的になってしまわないかということと、インタビュー時のルメールが割と控えめな感じだったことだろうか。GⅠ級の馬と感じてる時は結構わかりやすくテンション上がる人だからなあ……とか。
次は期間を開けての大舞台となりそうだが、それまでにこの日の相手関係の戦いぶりはしっかり見ておきたい。

 



◆小倉2歳ステークス

【着順】
⑨ナムラクレア
⑦スリーパーダ
⑩アネゴハダ
⑤デュガ
④インプロバイザー

抜群のスタートから、テンから行く馬には行かせ、中団構えて大外まわしたナムラクレアが、弾けるような末脚で勝利。
なお初戦ダート大勝からここに来た3着のアネゴハダもしまいの脚は目を瞠った。
初戦逃げて快勝した1番人気のショウナンマッハは、今回は4角あたりでもう手応えなく大敗。

前日ダークエクリプスの放馬で怪我をしていた和田騎手は、勝ち鞍一つ損するという、踏んだり蹴ったりの結果に。

◆新潟記念

【着順】
⑯マイネルファンロン
⑰トーセンスーリヤ
⑬クラヴェル
⑫ヤシャマル
⑪ラインベック

競馬は、特に芝が荒れる開催終盤はどこを通るかが、いかに大事か痛感させられる結果に。
ペースは落ち着いており、先行馬にも勝機ありと見えたが、ラチからラチまで横に広がった直線勝負で上位を占めたのは外側から差してきた、馬番号も大きな者たち。
それにつけても、あれだけ縦長の隊列で、ほぼ最後尾近くにいたマイネルファンロンは、たとえ直線入ったところで馬券を買うことができたとしても、ちと買えないよなぁと。

むしろ評価すべきは、前走の函館記念や、昨年勝った新潟大賞典など今まで先行策で好走してきたところ、今回は違う芸風で結果を出したトーセンスーリヤの方だろうか。
もう6歳だが、トーセンだし今しばらくはローカルを中心にブイブイ言わせてくれるのでは。


これにて今年の夏は終了。余韻に浸る間などなく、次週より秋競馬が幕を開く。

中山や東京で開催される秋競馬。
GⅠがある秋競馬。
そして、ここ2年は個人的にえらく勝てている秋競馬。

さあ、そろそろ本気を出そう。