2020 マイルチャンピオンシップ 感想戦

次週に控えたドリームレースの前座とするには勿体ない、こちらも強者揃いのマイル王決定戦。
昨年京都現地で観戦したこのレースは、ほぼ完璧な予想をしていたにも関わらず、妙味やらなんやら考えるあまり意味不明な買い方をしてしまい、失意に沈むことになった。

あれから一年。少しは成長できたのか、それとも反対を押し切ってアメリカに渡ったあのバスケット選手のようなザマを披露してしまうのか。

◆マイルチャンピオンシップ

◎⑧インディチャンプ
◯⑥ラウダシオン
▲⑰サリオス
△④グランアレグリア
△⑯ヴァンドギャルド

【買い目】
馬連 ⑧ー⑥⑯/⑥ー⑯⑰
3連複 ⑧ー④⑥⑯⑰
ワイド ⑥ー⑯

 


【着順】
④グランアレグリア △
⑧インディチャンプ ◎
⑦アドマイヤマーズ
⑪スカーレットカラー
⑰サリオス ▲

誰もが織り込んでいた通りレシステンシアがハナに立つが、そのペースは条件戦ならともかく今の阪神でのマイルGⅠとしてはゆったりめ。素人目にはあの馬はもっとタイトなペースを刻んで、後ろにも脚を使わせての競馬をしてこそという感じがするのだが、陣営や鞍上の評価は異なるのだろう。
ともあれ、強豪たちが難なく好位で追走し、決め手を発揮できるぐらいの流れになったのだが、当然真ん中より前にいなきゃいけない筈のところ後方に構えた馬が一頭。引っ張って抑えたわけではないが、大外のサリオスは出たなりで位置をとりにいかず後方待機。

直線でNHKマイルの上位2頭が歴戦の強者たちに次々交わされていく。とりわけ番手にいたラウダシオンが早々に失速していったのはかなりガッカリだった。

ここでファインプレーを見せたのはインディチャンプ鞍上の三冠ジョッキー福永祐一。
道中好位につけたグランアレグリアをマーク、コーナーから直線は並走してプレッシャーを与えつつ外に出す隙を与えない。折良くグランの前をラウダシオンとアドマイヤマーズが塞いでくれたので完全に蓋をする形が完成。あとは自身が前にいるマーズを交わせるベストタイミングで追い出せば連覇達成という仕事をやってのけた。

しかし追い出せたのが残り1ハロンを切ってからでもグランアレグリアには十分な距離だったか、軽やかにさえ見える加速で前をあっさり交わしてしまう。今年の短距離GⅠをほぼ総舐めという偉業を当然のように達成。
レース直後の福永騎手の笑顔は「これで勝てなきゃどうすりゃええねん」と苦笑いしているかのようだった。

3着はマイルGⅠ3勝している王者として堂々正攻法の競馬で勝ちにいったアドマイヤマーズ。後にして思うと、何故ヴァンドギャルドに印がまわってこの馬は迷わず切りだったのか、全くもって意味がわからない。

サリオスは位置どりが災いして、最速の上がりを使うもさほど惜しくもなく掲示板まで。前にいた馬も33秒台前半の上がりを使うレースなので届く筈もない。
もちろん大外枠が厳しいのは百も承知だし、あまり前半に無理させてしまったら後半失速というパターンも十分考えられるのだが、ちょっと潔く諦められない騎乗だったなあと。


本命のインディチャンプが頑張ってくれたものの、ここのワンツーなら3頭目も当てねば話にならんということで、この組合せの馬連は買っておらず、空振りに終わる。
欲張らずにシングルヒットで良しの構えでいけば的中していたとあり、恩師には「まるで成長していない……」と言われてしまうかもしれないが、まあどれぐらいの配当なら良しとするかの判断なので仕方ない。

とはいえこの秋、GⅡGⅢでごくたまに大きな当たりを出してカバーされているので霞みがちだが、肝心のGⅠの成績が結構ひどい。
これはまさしく危急存亡の秋。次週は本当なら馬券どうこうでなく堪能したいドリームレースなのだが、そんなこと言ってられない。

勝つ。