旅打ち日記 いまひとたびの京都編② 京都競馬場 2019.11.17

京都二日目。マイルチャンピオンシップ当日。

指定席取れなかったGⅠデーということで、どうしようかと悩んだのだが、京都駅からの始発にて淀へ向かうことに。
ソロ参戦であればメイン直前とかでなければ立ち見でどうとでもなるのだが、今回は途中から友人が合流することになっており、であれば早く行って席を確保しとくのが得策だろうと。
調べた限り、どうやら徹夜する必要はなさそうだが、何時頃並べば席二つとれそうかイマイチわからなかったため、念のための始発行だったのだが……

同じく始発で出向いた中京のチャンピオンズカップと比べ、開門ダッシュ勢は明らかに少ない。
そして、早朝の冷え込みに備えて季節的にまだ早いダウンジャケットを東京から着てきたのだが、さほどは寒くない。
うーん思てたんと違うなあと笑い飯西田のごとく首を傾げているうちに開門時間。てこてこ走って席確保。

屋外席の3階最前列。モニターもゴールも見やすく、他の客に視界を遮られることもない場所を確保。
上々の首尾とほくそ笑み、一息ついてから朝の競馬場を散策と洒落込んだのだが、愕然。

椅子に何も置いてない席が全然空いてる。むしろ空きまくっている。GⅠデーなのにこんなんあるとは。

もし翌年以降のマイルCSで、何時頃から並べば良いかお悩みの方が当ブログをお読みいただいていたなら参考にしてもらえると幸い。さすがに1レースが始まる頃には結構埋まっていたが、開門時間に来れば十分座れる。
もちろん出走メンバーによって異なるだろうし、そもそも阪神開催時でも同様かは保証できないが。


こんなんならホテルでモーニングでもキメてから来れば良かったなぁとボヤきつつ、更に散策。こんなんを見つける。

春の天皇賞にて栄光の盾を獲得した名馬たちが連なっている。
ということは……

頂点へと駆け上がり、そのままターフから駆け去っていった彼の名が、このように永遠に刻まれていることに感銘ひとしお。
産駒の活躍する日が待ち遠しい。

 


そして始まる馬のかけっこ。

さすがGⅠデーだけあり、パドックに行けば豪華絢爛な外国人ジョッキーたちの姿が。





しかしその中に昨年のマイルCS2着、一昨年は勝利しているミルコ・デムーロの姿はない。
彼が裏開催にまわり、しかもそっちのメインでも乗り馬がないなどという、詳しい理由は知らねど少し前まで想像もつかなかった現実を目の当たりにし、少しばかりセンチな気持ちになってみたり。


それはさておき、豪華絢爛といえばこの日はこんな方も到来。

どこに誰が来ているのか判別するのは困難かと思うが、中央左側のやたら足のすらっとした男性こそが、ペコやタカシやサギ山でお馴染みの窪塚洋介氏である。

大体この手のゲストの多くは、仕事として来てるだけで競馬になど興味はなく、適当にやって適当に帰っていくということが多いのだが、窪塚氏は自身がど素人であることを明言した上で、競馬という競技そのものや騎手や関係者たちへのリスペクトがしっかり見受けられ、また聴衆を盛り上げようというサービス精神溢れるトークを繰り広げていた。
そんなん聞いてて、若い頃は「県横(公立では県内有数の進学校)出ててもヘンな奴いるんだなあ」ぐらいにしか思ってなかった彼が、年月を経て成熟した良い大人になったんだなぁと妙に感心してしまったり。


同世代の俳優さんと比べ、惨めなまでに成長していないのが、何を隠そうこのわたくし。
わざわざ早朝に来て確保した良席で、次々買った馬が敗れ去る光景を目撃していく。

前日の好調は単なるマグレだったか、その疑いが確信に変わってしまいそうになったタイミングで、メインレースのお時間。

この時間になれば朝は快適だった場内も人が押し寄せGⅠ特有の異様な盛り上がり。
こちらも乾坤一擲の一戦で勝ちさえすれば、お財布的にもプライド的にも救われると鼻息荒くする。
ここさえ取れば、ここさえ取れば……

www.bakenbaka.com

振り返るだに、なんだこの買い方、よっぽど当てたくなかったのかと11月の己を問い詰めたくなってしまう。
ともあれ、普通にやれば取れたレースを外すという、単に外すより痛恨の敗北を喫し、膝をつき項垂れるわたくし。

そんな哀れな虫ケラのことなど気にもかけず、勝者たちを寿ぐセレモニーが始まる。

プレゼンターの窪塚氏も、きちっと折り目正しく役目をこなしている。

表彰式でもポケットに手を入れるなど傍若無人に振る舞い、勝利騎手に「おじちゃん背ェ小っちゃいね」とか言ってしまう奇矯な若者はもういないのである。(さすがに初めからそんなんではないという説もある)


最終も負け、この日はボウズ。
土日トータルでもだいぶマイナスに転落し、淀の地を後に。

ちなみに、午後に悠々やってきた友人は、競馬素人でありながらマイルCSにおいて池添騎手の成績が【3.0.0.9】であることから「コイツの単勝を買うのが期待値高い」などと言い見事に的中。
続く最終レースではスポーツ紙に載っていた「吉田和子オーナー所有馬は京都ダート1200での勝率が高い」という、そんなん関係ないだろと思わずツッコミたくなるデータを根拠に、8番人気の馬の単勝にマイルCSの勝ち分を全て突っ込み、的中するという意味不明な離れ業をやってのけ、こちらを尻目に大勝利。
無論、祝福する余裕などこちらにはなく、ああだこうだ考えて負けている身としては余計にガックリするばかり。


大勝利して舞妓はんらと遊ぼうと思っていた目論見は水泡。駅ビルで蕎麦すすってさっさとホテルへと退散。

余談だが、二十年来の付き合いである友人が、ひどいクチャラーと化していることにこの食事のときに初めて気付く。
これまでそう感じたことは一度もなく、前日に飲み行ったときにも全く気にならなかったのだが……もしかしたら自分は一人の人間がクチャラーになった瞬間に居合わせてしまったのかもしれない。
ちょっと指摘はできなかったのだが、もし今後「オレってクチャラーなのかな?」と聞かれることがあったとしたら「うん、令和元年の11月17日からそうだよ」と答えてあげられるよう、記憶にはとどめておこう。


ともあれ京都での戦いは敗北に終わった。前回来たときも勝った記憶はないので、京都では2戦2敗。

次ここに来るのは改修後だろうか。
自分の買った馬が走って、切った馬が走らないコースへときちんと改良してくれることを切に願いたい。