旅打ち日記 京都編② 京都競馬場 2017.04.30

決戦の朝。

馬に魅了された大勢の競馬キチたちが、開門時間より遥かに早くから並び、少しでも良い場所で大勝負を見届けんと、これはこれでひとつの戦いに臨んでいる。
そんな頃合いにのっそりと起き出し、のんびり身支度を整えていたのは別に余裕をかましていたからではない。

こちらも出来れば良席を確保して観戦したかったところではあるのだが、当然指定席は取れなかったし、開門ダッシュにチャレンジして一般席をとったとしても、なにぶんぼっち参戦ときているので、トイレとかで席を離れた隙に誰かに座られてしまうリスクは否めない。
あの悪名高かった8号門クラブみたいな連中がいないとも限らない。

だったら、いっそ当日はゆっくり過ごして鋭気を蓄え、昼ぐらいに競馬場に着き、メインの2レース前ぐらいから立見でよく見える場所を確保するのが賢明なのではないかと。
複数人での行動だとそれも難しいのだが、1人ならシート撤去とかのタイミングを狙って間隙をつくことも可能であることは過去に経験済。

というわけで、午前中は途中下車して、競馬ファンの聖地・藤森神社に御参りしてみたり。

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通行区分の違反にはご注意。

 

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厳かな気持ちで、競馬という素晴らしい世界に出会わせてくれたことへの感謝と、競馬に付き物の悲しい出来事が少しでも減るようにとの祈願のため手を合わせる。
ほんのついでに、自分の買った馬券が当たって当たって当たりまくるようにと懇願。

 

 

さあ、神様の力も得たことで、今日はひと味もふた味も違うはずだと、京都競馬場へと乗り込む。

さすがに昨日とはまるで違う人の入り具合。

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まだ昼過ぎなのに、平場のレースを見るにも一苦労。

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何かバチが当たるようなことでも言ってしまったか、今日も馬券が全然当たらない。
霊験あらたかな神様よりも、己の中にいる逆神の方が強いというのだろうか。。

そうこうしているうちに、メインレースが近づいてきて、場内の人数もヤバいことになってくる。
8R終了後に、残りの馬券をすべて購入し、スタンドの一段高くなっており、手すりのある場所をキープ。

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ゴール前の叩き合いとはいかないが、直線の勝負どころがしっかり観れる位置。悪くはない。

あっという間に時間が来て、どこか夢うつつの心持ちでファンファーレを聴く。
これまでどんな来歴を辿ってきたか、とことん検討した17頭がゲートに入っていって。

春の天皇賞、発走。

 

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もうね、このレースを現地で生で観ることができて良かったと。
馬券はトリガミだったけど。応援していたレインボーラインは惨敗だったけど。

血の温度が上がるようなレースを体感できた。
キタサンブラックの2回目の天皇賞を生で観れた。
あの歓声の真っ只中にいた。
これはヘタしたら死ぬまで自慢し続けられるかもしれない。

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それにしても、こう見るとレインボーライン1周目にして絶望的だなぁ……

レース後、余韻に浸りすぎて、最終レースを買い逃すなどやらかし、京都競馬場での戦いは終了。
結局マトモに当たったのは土曜の10Rのみで、全体では1,500円ぐらいの負け。
まあ、こんな素晴らしい場所に、それも今日という日にいることができてこの額ならば実質勝ったようなものじゃなかろうかと。
多少の強がりではあるが、嘘の気持ちでは無い。

どうやら関西では恒例らしい、騎手とファンの集い的なステージを覗いてみると、ここもまた凄い人だかり。

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天皇賞1〜4着の騎手によるレース回顧やら、企画モノとしてドッキリの映像を流したりやらなかなか面白く、疲れた脚での立ち見だったが、ついつい最後まで脚をとめてしまった。
騎手としての腕前について、西高東低だと言われており、いや馬質が違うだけだとか議論になったりもしているようだが、少なくともトークの達者さやサービス精神においては西の方に大きく分があると言える。
やはりトップが歴代最強の実績の持ち主でありながら、緩いところは緩く、ジョーク大好きなお人だっていうのがデカいんだろうなと。

宿に戻り、風呂上がりにビールと惣菜、のり弁当。

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とても京都に旅行にきて食べるようなものではないと思われるかもしれないが。
何だかんだでかなり歩き回り、長時間立っていて疲れた身体に。
そして、最高のレースを観て昂った心に。
このビールのしみわたること。
40年近く生きてきた中で、2番目に美味いビールだった。
(ちなみに1番は1人で富士登山した折に、下山後の五合目で飲んだビール)

この記事を書いているのは、もう次の戦いが目前に迫った金曜日。いつまでも余韻に浸っているわけにもいかない。

でも、目を閉じると、ありありと京都競馬場での光景が浮かんできて。自然と口元はほころんじゃって。