2021 有馬記念 予想

一年間の締めくくりではなくなったものの、最高潮であることは変わりない暮れのグランプリレース。
秋のGⅠで最もチャンスのある舞台がここだったであろうワールドプレミアやカレンブーケドールといった有力馬が引退してしまい、昨年の三冠馬2頭も片やグランプリを走ることなく引退、片や長期離脱中と、それらが勢揃いしたパラレルワールドを是非見てみたかったところだが、それは言っても詮無いこと。

幸い古馬と3歳馬それぞれの正横綱は出てきてくれており、最初で最後のこの対決だけでも競馬ファンには結構なご馳走。
そして3番手候補であるのみならず、万全ではないと囁かれる覇者たちの足をすくってやろうと目論む強者曲者たち。予想のしがいもなかなかにある顔ぶれになった。

◆有馬記念

◎⑦クロノジェネシス
◯⑩エフフォーリア
▲⑯タイトルホルダー
△⑭アサマノイタズラ
△①ペルシアンナイト

 


◎⑦クロノジェネシス
グランプリ3連覇中、べらぼうな高速馬場でなければ、文句なしでの現役最強馬。
中には昨年の有馬記念はサラキアと接戦、今年の宝塚記念は2着がユニコーンライオンなのでと評価低めの人もいるようだが、そういう人は中身を見ていないのだろう。
昨年有馬は明らかな早仕掛けだったにも関わらずねじ伏せてしまった(そもそもサラキアは強い)ものだし、本年宝塚はくそ前残りレースにも関わらず一頭だけ前を捉えてねじ伏せてしまったもの。高速ヨーイドンを制するよりむしろ恐るべき内容だと個人的には思っている。
凱旋門帰りということで、盛んに言われている状態面が気掛かりではあるが、追い切りで見劣りすることはこれまでもあったし、多少の調子落ちなら十分勝ち負けできるのではないだろうか。


◯⑩エフフォーリア
そんな女傑を真っ向から打ち破るとしたらやはりこの馬。今まで走った三つのGⅠを観ればその強さを改めて語るまでもないだろう。特に中山での皐月賞で圧巻の勝ち方を見せているのは強調材料。
ただ距離的には2500もこなせるだろうが、ベストは1800から2000のように思える。そして、その最適舞台で0.1秒差破ったコントレイルより中山2500におけるクロノジェネシスの方が(出来落ちがなければ)強敵の筈。
まだ奥があって、あっさり勝ってもおかしくはないが、ここはクロノ本命・エフ対抗と定めたい。


▲⑯タイトルホルダー
弥生賞・皐月賞で中山適性は実証済、菊花賞でスタミナも実証済のこの菊花賞馬が、大外枠のおかげか若干ナメられ気味。
そりゃ内側の枠の方が良かっただろうが、どうせ行く馬には言うほど不利ということもない。同型のパンサラッサがおそらく飛ばして逃げてくれるので、すんなり離れた番手につけ、実質良いペースの逃げを打つことができるのではないだろうか。そうなれば、すんなり勝ち負けまであり得る。
キレ勝負だったダービー以外はステラヴェローチェより先着しているのに評価が逆であることも、馬券的には重要なポイント。


△⑭アサマノイタズラ
専門家筋で推している人が結構多いが、中穴どころで何かやってくれそうなのを探すと必然ここに行き着く。
ソーヴァリアントやオーソクレースをぶち抜いたセントライト記念は、(ハマれば)中山の鬼疑惑や、ここにきて大きく成長した疑惑を抱くのに十分な勝ちっぷりだった。その後の菊花賞は最後方からの競馬では到底届かない流れになってしまったが、最後まで良い脚は使っていた。
ここ最近のように後ろからの競馬にするのか、以前のようにある程度出していくかは読みにくいが、これまた中山では時折鬼になる田辺騎手のエスコート次第では凄いイタズラしてくれるかもしれない。


△①ペルシアンナイト
ここのところ決して悪くはない走りをしており、昨年の有馬ではカレンブーケドールやワールドプレミアと同時計だったりもする。もしその2頭が万全の状態でここに出てきていたらかなり有力とされていただろう。
最内は仇になる可能性もあるが、エスコート次第でアドバンテージにもなる。あまり上位騎手に恵まれる機会が多くない馬ではあるが、今回はC.デムーロ。(他の上位騎手に比べて)そこまで卓越しているとは思わないが、期待できる一人であることは間違いない。
あっても掲示板までのような気もするのだが、多少絡めておいても面白いかなと。


人気の一角ステラヴェローチェについては、前述のようにタイトルホルダーより劣後すると見做せることと、大消耗戦だった神戸新聞杯から菊花賞を経ての臨戦はどうなのかと。また、その菊花賞でオーソクレース、ディヴァインラヴとの叩き合いに屈したことも見逃せない。
それでも普通に考えて3着は全然あるかなと思うのだが、妙味を踏まえてここは切りにしたい。


日曜は席を取れず、二年連続の自宅グランプリになってしまうことが残念でならないが。
出てきてくれた16頭に最大の敬意を表し、居ずまいを正して観戦することにしたい。