2021クラシックへの道⑨ 2歳戦の鬼・福永祐一(2020.8.1-2)

8月に突入。すわ冷夏かと思われた今年の夏も、この辺りからしっかり暑くなってきた記憶がある。そして中旬からは灼熱。人も馬も相当しんどい中、競馬を見れることが有り難いやら申し訳ないやら。
せめてしっかり刮目して、若駒たちの戦いを追っていこう。

8/1(土)


◆新潟2R 2歳未勝利 芝1600外 曇 稍重

【着順】
⑨フォティノース 福永
④キャロライナリーパ 岩田望
⑦ドナウエレン 川田

それぞれ好位から内側早めに抜け出したキャロライナリーパと、馬場の中ほどに出して追ったフォティノース、走破時計も上がりの速さも抜きんでていた2頭のレース。
それにしても、前週同様新潟の芝は稍重でも非常に速い(開催進んだら異様に重くなる印象もあるが)。もしこの2週がパンパンの良馬場だったらどうなっていたことか……馬柱で目を瞠る数字があっても惑わされてはならないと実感。


◆新潟5R 2歳新馬 芝1800外 晴 稍重

【着順】
⑫アドマイヤハダル 福永
⑨ぺドラフォルカ 北村友
⑩グレアリングアイ 内田博

好スタートから好位につけ、直線抜け出したアドマイヤハダルが、猛追退け勝ち上がり。見た目、今後有望そうに見えるのは2着馬の方だが、現代競馬において先行策がとれるということと強い末脚を持つこととでは前者の方が勝利への近道であることは忘れてはならない。


◆札幌1R 2歳未勝利 芝1500 晴 良

【着順】
③ジャンカズマ ルメール
⑤セイウンオードリー 団野
①ドルチェヴィータ 菱田

中団からコーナーまくってきて、そのまま最後まで脚色衰えなかったジャンカズマが3馬身差つけての勝利。
前走しんがり負けで人気薄だったセイウンオードリーもよくぞあそこから2着までという素晴らしい脚を披露。まさか次走逃げてみたりなんかしないよな……とか言ってみたり。


◆札幌5R 2歳新馬 芝1500 晴 良

【着順】
③オパールムーン 横山典
①ヴァーチャリティ 松田
⑨ククナ ルメール

中団から、直線でコースの中ほどに出したというか自然に走らせてたら出ていたといった匠の騎乗を見せた横山典鞍上のオパールムーンが内側から伸びたヴァーチャリティを交わしきって勝利。昆・典ペアは買いというがさすがのお仕事。
なお、1Rの未勝利戦をダントツで勝ったジャンカズマの走破時計を上位2頭は0.2上回っている。途中までのラップは似たようなものなので、評価に値するものかと。(未勝利戦が低レベルだったのかもしれないが)

 


8/2(日)


◆新潟5R 2歳新馬 芝1600外 晴 良

【着順】
⑮ハヴァス 丸山
⑬プラウドルック 北村友
③ウインミニヨン 松若

先行し、早めに前に立ったハヴァスが押し切る。他先行していた馬は軒並み崩れていたので、かなり強いかリズムに乗れたのか。
注目を集めたアカイトリノムスメはゲートが悪かった上に、しまいも見るべきところが何もなし。ディープ×アパパネ初の牝馬ということで、頑張ってはいるものの両親からしたら物足りない全兄らとは打って変わった大物が出る期待もあったのだが……まあ偉大なる母も初戦は敗れているということで、次走一変があればよいが。


◆札幌5R 2歳新馬 芝2000 晴 良

【着順】
⑦バニシングポイント ルメール
②フォルテデイマルミ 藤岡康
④タスマンハイウェイ 横山武

母も姉も米GⅠを制している良血バニシングポイントが、ハナでレースを進め、そのまま馬なりでぶっちぎり勝利。ちとこのメンツではモノが違った様子。もう少しタフなメンバー相手に、違う展開になった際にどんな走りを見せてくれるか楽しみ。



2歳戦の騎手成績を眺めたときに、ほぼ空気と化しているデムーロと比べ、相変わらずバンバン有力馬がまわってきているルメールであるが、実は前週まではイマイチ結果が残せていなかった。
【単勝1倍台買うべからず】なんてタイトルの回があったのも大体この人のせいなのだが、この週あたりからようやく本領発揮というか当然の結果というか、ともあれ勝ち鞍を増やしてくる。

が、こと2歳戦に限ればリーディングジョッキーを遥かに凌駕する成績を収めているのが、ネット上では前が壁だの西日だの4着の人だの粘着されている福永祐一である。

この記事を書いている時点(8/21)の、芝の2歳戦における彼の成績は……

【13・4・6・8】
勝率41.9%
連対率54.8%
複勝率74.1%

ちょっとわけのわからない数字を叩き出している。
元々、勝ち負けよりも若駒に競馬を教えるのが上手いという印象だったが、ここ3年でダービーを2回勝っているジョッキーには各陣営から勝たせたい馬が集まってくるということだろうか。今年の夏は短期免許の騎手がおらず、ルメールが北海道に閉じこもってくれている影響もあるのかもしれない。秋以降どうなるか。さすがにこの率を維持するのは難しいだろうがしばらくは注意が必要かもしれない。

なお1番人気に推されたのは7鞍で5勝しているが、単勝1倍台になると3鞍中1勝と、グンと頼りなくなるあたりは愛嬌というものだろう。


☆にわか的注目馬
バニシングポイント