極楽とんぼ「KAKERU TV」(AbemaTV)を24時間とはいかなくともそこそこ視聴した感想【後編】

考えてみれば、24時間テレビ系をガッツリと視聴しようなんて何年ぶりだろう。

あの2004年や2008年のFNSでさえ、そこまでの熱意を持った視聴者にはなれなかった。昨年なんて誰が何やってたかまったく記憶にない。

プロの人たちが、面白いことやってやろう・面白いもの作ってやろうという目的のみで作る放送を観れる喜びは、滅多に味わえるものではない。

 

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◎朝食

寝落ちから覚めると、加藤家にみんなで押しかけていた。
とんでもない豪邸に、もはや羨ましさすら感じず、かつて有野に見張りをさせ楽屋で……などクレイジーな逸話を持つチンピラ芸人がこうも成功者になれるものかと感動すら覚える。

元々、手探り感の強いロールではあったが、加藤が裏かぶりで不在にした際の機能不全ぶりに、やはり仕切れる人って重要なんだなあと。
同じく手探りではあるものの、加藤が戻ってきてからのコーヒーのくだりは最高だった。


◎歌にKAKERU 女芸人男装歌合戦

山本と矢作という珍しい(というか初めて見る)組み合わせの繋ぎトークを楽しんで観ていたものの、ここでまた寝落ち。
歌合戦はそっくり寝飛ばしてしまう。


◎因縁をKAKERU 芸能人が決着をつける因縁対決

起きたら我が家杉山とハライチ岩井がやり合っていた。
見せセフレという単語が飛び出し、ポップコーンアヒージョという大発明が披露され、岩井が何度やってもうまくビンタできないという見事なオチがついたこの組み合わせが一番面白かった。

品川VS大地、山本VS加藤紗里も面白かった。もう一組は競馬予想の時間に当てるのに丁度良かった。いや、ゆいP好きなんだけどね。

 

 

◎山本が貯金をKAKERU 山本が貯金を賭けて競艇で大勝負!!

競馬中継と並行しての視聴。

こないだの旅打ちで競艇を経験しておいたことが、この企画をより楽しむために大いに役立った。
一般戦のみの開催で、1点に大きな勝負ができないというのはこの手の企画としてはかなり痛恨だったが、やっぱガチ賭けというのは良い。
1つ勝って増やしてからの2連敗で全てスるというのは理想の展開だったのでは。

テレビでたまに見かける時は反発しか覚えない椿鬼奴の旦那が、俄然輝いて見える不思議。
考えてみればクズ界の理想を体現したような人生を送っているんだよなぁ。あやかりたい。

敗戦後にケンカコントにいきかけての、大原かおりへの告白ムード、様子のおかしいスタッフなど、演者の意図とマッコイの仕掛けが交通渋滞を起こすものの、そのグダグダすらも面白がってしまうカチさんの懐の深さ。
こんな司令塔がいればそりゃチームワークも抜群になるわなと。

なお、当方も東西ともにメインレース惨敗。負けたことを笑いにできる仲間がいるのが羨ましい。


◎新ネタをKAKERU 山本、実力派ピン芸人とネタ合戦!

吉村の楽屋リポートの途中でまた眠ってしまう。寝過ぎだな俺。

目覚めたらアキラ100%のネタ終わり。彼とRGを観れなかったのは残念ではあるが、粒ぞろいの芸人さんたちのネタを大いに堪能。
パーマ大佐は達者すぎるのが笑いの邪魔になってるなと思って観ていたが、そこを通り越して、それにつけても上手すぎて笑えるというレベルに達していた。凄い。

ダントツでクオリティの低かった山さんが、微妙な温情採点で微妙な順位。どう考えてもビリにするか、逆に全員100点かのどちらかだろうと一瞬思ったが、この微妙すぎて苦笑いの落としどころも計算なのだろうか。
ネタ中、加藤と遠藤によるサポートのガヤが飛び交うのをアンフェアだとするコメントがチラホラ。いや、同じ土俵で勝負になるわけないじゃん。


◎エンディング

パイプ椅子に並んで座り、24時間を振り返る静かな終わり。まだまだこれだけのことが出来るんだという芸人たちの満足感・矜持のようなものを感じとりつつ。
こちらも24時間すべてとはいかなかったが、それなりに見せてもらったものを振り返り。

それにつけても極楽とんぼ。健在どころか無敵じゃないかと。

10年頑張り続け、大御所の一角としての地位を築き、抜群の安定感とスキルを身につけながらも、まだまだヤンチャな牙も折れていない加藤浩次。
10年雌伏の時を過ごし、失うものは何もなく、溜め込んだマグマのような爆発力と、一種の危うさが漂い、それがまた魅力になっている山本圭壱。

思えば、こんなコンビは唯一無二なのではないか。
不祥事で片方が消え、もう片方はトップに登りつめるという経歴からして、他の芸人さんが辿るのはまず不可能。
この通常では有り得ない長い長い別れ道を経て、再度合流した2人がそれぞれ本来の力を発揮して、全力でバカやって、ゲラゲラ笑って。
決して押し売りではない感動がそこにはあった。

夢は終わり、明日からまた、加藤はスッキリの司会をきちんと務め上げ、山本はテレビにはなかなか出られない日々が続いていく。

少しばかりの寂しさと、これが一夜限りの夢で終わらぬようにと願いを込めて。

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この世は極楽、空にはとんぼ
素晴らしい言葉じゃないか。