2017 日本ダービー にわかによる出走馬全頭分析

あさってはダービー

何とも甘美な響き。来たる大レースに想いを馳せ、こんな展開かなこんな馬があるかなと考えを巡らす。
もしかしたら、この金曜日は一年で最もワクワクできる日なのかもしれない。

もう一日経ってしまうと、ワクワクよりも、いよいよ本腰入れて馬券を決めねばならんというジリジリが上回ってきて、土曜のレースもあったりしたりで、それはそれで楽しいものの、またちょっと違った感じになってくることだろう。

そんな金曜日に、大舞台に立つサラブレッドたちを分析してみるにわかが1人。

①ダンビュライト

2番人気に押されるも大敗した朝日杯の後は、GⅢ、GⅡ、GⅠですべて3着。地力は見せつつも重賞勝ちの実績は無し。
武豊に乗り替わった皐月賞ではしまいまでしっかり伸びており、ダービー騎乗馬無しも囁かれていたレジェンドによる執念の権利獲得と相成った。
好位からレースを進めたいところ、1枠1番をゲット。追い風のように思えるが、かつては競り合ったときの勝負弱さが顕著だったこの馬が、揉まれやすい最内というのは凶と出る可能性もある。
それとも追い切り一緒にやってる遼馬が隣の枠なのは天啓か。

②アメリカズカップ

音無厩舎3頭出しの中で最も人気薄。きさらぎ賞でサトノアーサー、ダンビュライトに勝っており、軽視のし過ぎは禁物だが。
金曜の雨が一日後にずれていれば……といったところだろうか。

③マイスタイル

この馬が勝ち負けするには、先行し、直線ヨーイドンにならない程度のスローに持ち込むことだろうか。中心には考えづらいが、内枠に人気薄の先行馬、鞍上横山典弘、非常に不気味ではある。
弥生賞のときのようにハナに立つか、はたまたダンビュライトあたりにかぶせてきて潰しにくるか、それとも伝家の宝刀ポツン炸裂か。注目の一頭。

④スワーヴリチャード

人気を考えたら皐月賞は残念な結果だったといえるが、内枠から控えて1角入る頃には馬群に飲み込まれ、4角では外回してという競馬になった割には馬は強かったとも言われている。また左回りの方が向いている可能性もある。
出足がつかないタイプでもなさそうだし、好枠を生かした競馬ができればチャンス有りかと。

⑤クリンチャー

皐月賞では外枠から好位につけ、崩れず4着だったということで、今回穴人気しそうな1頭。
同じ流れになったとして、東京2400で持ちこたえることができるかどうか。

⑥サトノアーサー

早くからダービーを見据えて調整されてきた、サトノ&池江厩舎の秘密(ではないけど)兵器的存在。
なにげに重賞勝ち無し、初輸送、これまでのレースどれも頭数少なめと不安だらけだが、覆せるだろうか。
 


⑦アルアイン

皐月賞の勝ち馬であり、今回唯一のGⅠ馬。
泥んこ馬場のシンザン記念以外全勝であり、今回の有力どころもアドミラブルを除いてひと通り下してきている。
左回りのコースは初めて。

⑧トラスト

早々に重賞馬となったので、余裕を持ってローテーション組める筈が、酷使アンド酷使でやってきている。
大抵下馬評よりは健闘を見せるものの、馬券内は昨夏の札幌2歳S以来無し。さすがに厳しいか。

⑨マイネルスフェーン

3着だった京成杯の1、2着馬のその後の戦績を見ると、このステージで通用するようには思えない。
実は休養期間に大幅成長してて、休み明けの青葉賞は単なる叩きでした、なんてストーリーは無理があるだろうか。

⑩ベストアプローチ

アドミラブルばかりに注目が集まる青葉賞組だが、こちらも2.24.0という、昨年のダービー勝ち馬と同じタイムを叩き出している。
前走はテン乗りだった岩田騎手が、内過ぎず外過ぎずの好枠を得て、かましてくれる可能性はあるんじゃないかと。

⑪ペルシアンナイト

過去馬券外は一度もなく、皐月賞では向こう正面で果敢に上げていき、そのまま速い上がりを叩き出し、2着。間違いなく強い。
が、相棒のミルコはアドミラブルを選び、戸崎騎手テン乗り、調教にも跨っていないという状態は如何なものか。
良くも悪くも無謀な騎乗はしない彼が、テン乗りの騎手がダービージョッキーに輝いたことは無いというジンクスを覆せるとは思えない。
でも、強さからすると2、3着は普通にありそうなので困ったもの。

⑫レイデオロ

休み明けプラス8キロの体重で出てきた皐月賞にて、しまいグングン伸びての5着をどう捉えるか。GⅠといえど陣営にとってはひと叩きの舞台でのパフォーマンスとしては上々と見る向きが多いからこそ、現時点で人気しているのであろう。
その一方で、あんな後ろからなら上がりも速くなるわい、勝ち馬とは0.4秒差つけられてるじゃんとも考えることもできる。ソエの影響で皐月賞がぶっつけになったのも、善し悪しいずれにも捉えられる。難しい。
おそらく後方からになるであろう脚質を考えると好枠といえるが、もし展開が向かなかったら届くかどうか。
ルメールだし、しのごの言わず抑えとくという手もありかと。
 


⑬カデナ

これまでの勝ちパターンは、どスローからの上がり勝負。ここのところのGⅠにおいて、JRAは平均以上とされるペースでも前の馬がなかなか止まらない馬場を拵えてきており、各陣営もそれは百も承知のはず。まずどスローは見込みにくい。
皐月賞ではミルコ騎乗のペルシアンナイトが早めに上げていくのを見て「あかん、ワイも行かな」とばかりに続いていき、こちらはスムーズな通行を許されなかったこともあるが、伸びていかなかった。

⑭ジョーストリクトリ

これまで全てマイル以下で使ってきてのダービー挑戦。中山マイルの鬼のシュタルケが神騎乗を見せたニュージーランドトロフィー以外では特筆すべきパフォーマンスは見せておらず、半分記念出走みたいなものと見做すべきか。
内田騎手テン乗り。元南関組は便利屋扱いなのが切ない。

⑮ダイワキャグニー

弥生賞こそ2番人気で飛んだものの、東京では【3.0.0.0】と無敗。
好位から抜け出し、そのまま押し切るスタイルなので、もう少し内側の枠が欲しかったところ。

⑯キョウヘイ

泥んこ馬場のシンザン記念にて、後の皐月賞1、2着馬を下しての勝利。おそらく関係者一同、必死に雨乞いをしていることだろう。

⑰ウインブライト

好敵手のアウトライアーズを物差しに考えた場合、GⅠクラスでは勝ち負けにはならなそう。決め手に欠けるというか、このレベルでは特筆すべき強みが無い印象。

⑱アドミラブル

青葉賞でレースレコードであり、昨年のダービー勝ちタイムよりも0.4秒も速い時計を叩き出し、戦慄の勝利を飾り、一躍主役候補に。ミルコが皐月賞2着馬よりもこちらを選んだあたりからも、初の青葉賞勝ち馬のダービー制覇が強く期待される。
が、後方からの競馬が予期されるとはいえまさかの大外枠。また、喉鳴り手術から復帰の3月頭から3ヶ月弱で4走目、1月前に続き輸送競馬。疲労のほどが懸念される。
逆風を覆し、勝利することがあれば、世代の主役どころかレジェンド級名馬への門が開かれるのではないだろうか。
逆に言えばそのレベルでなければアタマは厳しいのではないかと。


さて。
まとめているうちにある程度絞れてはきたが、更にもう少し、ここからは勝つ可能性も全然ありそうな馬を切っていかなければならない。

大変なのはここからだ……