2021 菊花賞 感想戦

とある騎手か、自分自身のどちらかがもう少しマシな仕事を出来ていれば確実に取れていた馬券を逃し、GⅠ連勝が止まった菊花賞。
火曜日になっても悔恨は尽きないが、いつまでも目を背けていても前には進めない。

この週末にはまた大勝負がやってくる。
その前に、しっかり回顧してきっちり心の清算をしておかねば。

◆菊花賞

◎③タイトルホルダー
◯⑭ステラヴェローチェ
▲⑨ヴェローチェオロ
△⑱オーソクレース

【買い目】
馬連・ワイド・3連複 ③⑨⑭

【着順】
③タイトルホルダー ◎
⑱オーソクレース △
⑪ディヴァインラヴ
⑭ステラヴェローチェ ◯
⑦ディープモンスター

 


十中八九ワールドリバイバルの逃げになるだろうと思っていたところ、タイトルホルダー横山武史がテンからぐいぐい押していき、強引気味にハナを奪う。
当方思い出したのはリオンリオンのダービー。オイオイ武史よ、お前は成長していないのか?と。

しかし多くの場数を踏み、今年はクラシック一冠まで制覇した若武者は、自分のような永年底辺這いつくばり系男子とは違った。
1000m通過が1分ジャストと出て、さすがにこの距離ではやや速いだろう、最後までは無理だろうと思っていたところ、そのあとは後ろを突き放しすぎず引き寄せすぎずの逃げで、残り1000mのハロン棒通過が2分5秒超え。コレは武史のヤローやりやがったんじゃないか?と興奮。
果たして、中盤グッとゆるめて脚を溜めることに成功したタイトルホルダーは、レース後半徐々にペースを上げていき、捉えようともすれどなかなか近づくことすらも出来ない後続と大きな差を保ったまま直線を迎え、それを縮められることなくゴールイン。5馬身差という完勝をおさめた。

馬ももちろん強かったが、恐るべきはやはり鞍上のレースコントロール。

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何と見事なことだろう。
テンは長距離としては飛ばし気味でハナをとり、隊列落ち着いた中盤にぐっとペースを落とし、1ハロン14.3と緩みきった後は徐々にペースを上げ、しまいの3ハロンはテンと同じ速さでまとめている。美しさすら感じてしまう。
競馬歴5年少々の自分が観た中では、GⅠでこんなん出来る人馬は、キタサンブラックと武豊のコンビだけだった。
そしてインタビューでの爽やかでいて、ソツもなく、ちょっとしたユーモアも交えての受け答え。もしかしたら野球や将棋と違って競馬には出てこないかと危惧されたスーパースターの後継者がついに現れたのかもしれない。そんなことすら思ってしまったり。
横山武史は武豊に、タイトルホルダーはキタサンブラックに。なれるのか、或いは超えられるのか。今後期待を込めて見ていきたい。

白熱だったのは2着争い。
好位から抜けたディヴァインラヴが、後ろから徐々に進出してきたオーソクレースが、ほぼ最後方から捲り上がってきたステラヴェローチェが横に並んでの叩き合い。
資金の大半をタイトルホルダーとステラヴェローチェの馬連&ワイドに突っ込んでいた当方はその脚色に大興奮。
まずワイドは確実、おそらく馬連の方も取れるぞコレは!と歓声を上げるが、伸びが鈍り、なかなか抜け出すことができずにハナ差の4着。当方は呆然、そして地団駄。

この明暗は、はっきりとジョッキーの腕前・判断力の違いによるもの。
馬さえ弱くなければ最も勝負になりやすい好位で折り合わせて、しまいを伸ばした福永祐一。
後方からの競馬になったが、ペースが緩んだと見るやジリジリと前に出て追撃準備をしていたルメール。
ほぼ最後方、ペースが緩んでるときには地蔵のように動かず、流れが速くなったタイミングで捲り出した吉田隼人。
レース後、馬の状態が悪かった、俺はよくやったともとれるコメントを出していたが(直接声を聞いたわけじゃないのでニュアンスは違うかも)、それでも乗りようによっては2着は全然あった。馬の頑張りだけには拍手を贈りたい。

とはいえ、すべきことは騎手批判でなく、己のブレへの反省、いや猛省。
オーソクレースはセントライト記念が終わった段階で、いかにも前哨戦といった仕上げで上々の出来、菊は絶対この馬狙い目だなと思い、周囲にそう公言していたほどだったのだが、まあ穴人気しちゃうかなぐらいに想定していたところ蓋を開ければ1番人気とそう変わらぬ3番人気だったため、であれば妙味の上でどうだろうかと、△を付けながらも馬券からは外してしまっていた。

また、長距離は騎手で買えという格言も踏まえ、こんなことも言っていたのだが……

結局検討し直して、ステラヴェローチェが固かろうと判断したのは己自身。
馬券は自己責任。そして途中経過などは一切関係なく、最終的に決断した馬券のみがその者の全て。

こんな何百回目かわからない戒めが、今また身に染みるなんて。
まったく競馬界の未来を背負う若者とは大違いの、成長の無さで恥ずかしい限りである。