王座戦第3局

スプリンターズS凱旋門賞で往復ビンタを喰らわされた一昨日ぐらいからどうも体調が優れず、月曜の仕事中に頭フラフラ、喉の痛みなど症状が顕著になってきてこいつはあかんと。
幸い火曜は王座戦のために休みをとっている。たまにはコンビニ飯でなく滋養のあるものを食ってゆっくり休もうと仕事終わりにスーパーへ。
豚肉、ニンニク、ニラ、マイタケ、モヤシなど元気が出そうな具材をこれでもかとブチこんだ焼うどんを喰らい寝たところ、本日あっさり快復し、家で将棋を見てるには持て余すほどの元気マンになっていましたとさ。
でもその代償として、身体が明らかにクサい。下手に出歩かず将棋観戦に専念。

さて王座戦
羽生王座が2つ先勝しての第3局。このままストレートで決めてもらいたい気持ちと、糸谷八段に一矢報いてもらいたい気持ちがない交ぜ。
また、12日も休みをとっているので、ぜひ第4局が見たいという気持ちと、ここで決まればその日は大井競馬場に行けるなという気持ちもない交ぜ。

そんな思いを知ってか知らずか(知るわけがない)、急戦矢倉からの力戦模様で羽生王座がリードを奪っているらしい展開。
それにしても、26年前の米長-谷川戦と同型とか言われると、実にロマンを感じる。

すわ変調か? と解説の飯島七段が一瞬ビビらせてくれた9七角からの鮮やかな桂馬2段跳ねで勝負あり。あれは素人目にも見事だと思えた。
さしもの羽生さんいよいよ衰えが顕著になり、これからは若手相手に厳しい戦いを強いられる……みたいな名人戦の頃の論調はなんだったのか。
終わってみれば、棋聖・王位・王座を防衛し、通算タイトル97期にまで記録を伸ばした。
もちろん楽観はできないのだろう。その数字を1つ積み重ねるのに、どれだけ凄まじい苦労があるのか常人には計り知れない。来年の今頃、持っている全てのタイトルを失っている可能性だって無いわけではない。
そんなギリギリのところで戦い続けている羽生さんを、単にすげーとか、鬼畜眼鏡とか将棋星人とか言って持て囃すのもいかがなものかと思ったり。
それでもやっぱり、どれか一つのタイトルをたった一度手にすることを渇望し、そして果たせないまま終わっていく棋士がどれだけ多いかということを考えると、鬼畜とも言いたくもなる実績だよなぁとも思ったり。

ともあれ、来年も「羽生VS誰か」の王座戦が見れることが非常に嬉しい。

一方の糸谷八段は、まだまだ今後いくらでも。
個人的にあのふてぶてしさを感じる指し方や、その一方で好人物丸出しのキャラクター、歯切れの良い喋りが好きということもあり、またタイトル挑戦や獲得を期待したい。ていうか必ず出てくるはずだろう。
来年の今頃羽生さんが無冠になっている可能性もゼロではないように、彼が来年の今頃は名人・竜王以外の五冠を保持していることだってあり得なくはない。
棋士という生き物は、そういう気概で戦っているものだと信じたい。

まあ、敗北を喫した今日のところぐらいは、現地にいる女流棋士にでもたっぷり弱みを見せ、慰めてもらうのも良いのではないだろうか。