ポケモンGOを起動して故郷の街を歩いてみた

仕事が休みの平日、実家でゴロゴロと高校野球の予選見たり王座戦見たり、時々甥っ子姪っ子のガキンチョどもの相手したり、昼寝したり。

大変穏やかな夏の休日。夕方頃になってなつかしい故郷をそぞろ歩いてみようかと思い立ち、晩飯前の腹へらしも兼ねて実家近辺をお散歩。
折角なんでポケモンGOを起動し、我が故郷ではどんな野生のポケモンに出会えるか試みることに。こんな風に、ウォーキングとか散歩とか、ついつい億劫になりがちな行動を後押しする一要素としてこのアプリは大変素晴らしい。

故郷といっても、都内にある現住居から電車乗り継いで40分ほどの、それなりに大きな街。
ポケストップなんていくらでもあるだろう、さしあたりどこに向かって歩くかと画面を確認。

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うん。どこに行けば良いというのか。
決して田舎ではないと思っていた我がふるさとがこんなにも閑散としたひなびた地域であったことを思い知り、愕然。
仕方がないので、小中学校時代を過ごしたとりわけ郷愁を誘う方面に足を向けてみる。

 

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小学校時代の通学路に打ち上げられたコイキング。そういやこの辺りでよくドブ探検をしたっけ。今の子どもはドブ探なんてするのだろうか? などと思いつつ捕獲。
いかにもドブくさそうなサカナではある。

 

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中学時代まで通っていたスイミングスクールは、ジムとかを併設した複合施設に進化している。
実はポケモンには詳しくないのだが、このネズミはきっとピカチュウに進化するのだろう。捕獲。

 

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中学の頃の通学路。こっちから帰ると微妙に遠回りなのに、好きな女の子と一緒に帰りたくて、わざわざこの道を通ってたあの頃。
結局何も言い出せず、高校入って少しワルくなったらしいと人づてに聞いたときの気持ちが蘇る。
ていうか、またコイキングかい。

しばしノスタルジーがありあまる道を歩きまわり、よく遊んでいた公園で一休み。併設のグラウンドではあの頃の僕たちと何も変わらない様子で、少年たちがサッカーボールを蹴り、にぎやかな声をあげている。
その傍らでスマホ片手にポケモンやってる中年男。
あまり長居すると事案になりかねないが、気付いたらこんなところに到達してしまっていた己を振り返り、たまらない気持ちになり、しばし動くことができなくなる。

二十代の頃は、たまに里帰りして、こうして懐かしい街を歩いたりしてみたら、初心に帰るような気持ちになり、よしやるぞと活力が湧いてきたものだった。
こうして中年に足を突っ込んだ今は、ただただ途方にくれるばかり。
何でもできる筈だった、何にでもなれる筈だった子どもの頃の自分はもうどこにもいない。
輝く日々は追憶の中にしか存在しないのか。

思わず溜息。
携帯が震える。
振り向くと、くたびれ果てた中年を、感情のない目でじっと見つめるコダック

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何だかどうでもいい心持ちになり、家路に着くべく立ち上がる。なんか救われた。