ここ2、3年サッカーから遠ざかり気味だった自分が一時的にWOWOWに加入してでも今回のユーロは観なければと思う理由・後編

 

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さて後半戦。

 

Euro2004ポルトガル大会、アレは良かった。実に良かった。
古い人間は昔を懐かしんで何かにつけて「昔は良かった」だから始末が悪い。
などと言われてしまうやもしれないが、思い返すほどに実に豪華絢爛で魅惑的な大会だったのだから仕方ない。

ジダン、アンリ、フィーゴ、ルイコスタ、ラウール、トッティデルピエロベッカムネドベド、カーン、バラックファンニステルローイ……名前を並べるだけでも高揚してくる、綺羅星のごときクラックたちの競演には、当時超にわかサッカーファンだった自分も夢心地に浸らせてもらったものだった。
まあ、中には人の顔に唾を吐いた問題児もいたが、超一流でもそんなアホかますこともあるのだと、むしろ感動すべき出来事ですらあった。
他にも、ポルトガルのデコとかいう選手が今キテるとカーちゃんに教えられ、注目してみると冴えない西郷どん顔。どうなんだろうと懐疑の目を向けたのもつかの間、たしかに半端ない。世界には色んな凄いのがいるんだなあと思い知らされた。

そして、こうして名前を挙げたスーパースターたちに劣らぬほどに、この大会で国際大会にデビューし、世界に名を轟かせた新鋭たちの顔ぶれは物凄いものがある。

イングランド代表では、18歳の新たなるワンダーボーイが鮮烈な活躍で世界に名を轟かせた。
開催国ポルトガルが擁していた若き快速ドリブラーは、見た目のカッコ良さもあり、近い将来のスーパースターであることは疑いの余地もなかった。
スペインでは神の子と呼ばれるエースストライカーが颯爽と登場し。
フィジカルとテクニックを兼ね備えたスウェーデンの若きエースは、アクロバティックなシュートでイタリアをグループリーグ敗退に追いやった(この人は2002年W杯も一応出てたらしいが)。
まだまだ他にもたくさんいる。

そんな『自分が見はじめたのとほぼ同時にデビュー、もしくは新鋭として台頭してきた選手』たちに対しては、何だか格別の思いがある。
東洋の島国にいるいちファンがおこがましいことこの上ないのだが、まるで同期のような感覚というべきか。
勿論、彼らは自分がサッカーを見始める前からプロとして活躍しており、だからこそ国際大会にも出てきているのだということは百も承知だが「俺が初めて見たユーロでこの選手が出てきたんだよなあ」と、時に感傷に浸ることぐらいはどうか許していただきたい。

Euro2004も幕を閉じ、自分は本格的に海外サッカーを観るようになったわけだが、それはイコール常に『同期』の彼らの活躍ぶりを目の当たりにすることでもあった。

イングランドワンダーボーイは、プレー面では抜群の活躍を見せつつも、時に悪童・キレやすい若者といった面をふんだんに見せ、しばしば赤い紙を提示され困ったもんだった。ある時などは、イエロー出した主審に向かってこれ見よがしに拍手をし、すぐにレッドを出されたこともあった。かと思えばいきなり増毛してみたりと楽しませてくれた彼も、いつしか成熟し、クラブでも代表でも頼れるキャプテンへと変貌していた。
マデイラ島出身のイケメン選手は、快速ドリブラーからゴール製造マシンへとクラスチェンジを遂げ、その鍛え上げられたフィジカルと磨き抜かれた技術とゴールへの執着をもって、サッカーの神に溺愛されているらしいアルゼンチン人を相手に世界最高の座を争っている。
スペインのエルニーニョは、いつしか師匠と呼ばれ愛されつつも、何故か決勝戦にやたらと強いという特性を身につけ、クラブや代表を栄光へと導いた。
スウェーデンの若きエースは、唯我独尊の怪物プレーヤーとして君臨し、日本語では一人称を「オレ様」と訳されるなど、往時の清原ばりの存在感を放っている。

時が経ち、彼らもいつしかベテランとなり、キャリアの終焉がそう遠い将来のことではないものとなってきている。
そんな『同期』の多くの選手たちにとって、今回の大会が国を背負って戦う最後の舞台になるのではないか。
まあ実際2年後4年後もまだまだやれてそうな選手も何人かいるが、少なくとも今が選手として最も充実した最後のタイミングであるのは間違いないだろう。

住環境の変化などもあり、毎週何かしら観ていた海外サッカーもここ2・3年ほどはごく稀にしか観れなくなってしまっていた自分だが。
実家に帰省した際に何気なくワールドサッカーダイジェストを眺めていて、あ、今回のEuro観とかなきゃなと。同期の連中の最後になるかもしれない晴れ姿見ておかなきゃなと。
そんな思いにかられ、このたびWOWOWに加入して、結構繁忙期でキツい時期に連日夜中明け方のサッカー観戦する日々を送っているわけです。

同期の何人かは既に敗退したり、今回選出に洩れたりしてしまったものの。
久々にがっつりサッカー観て思うのは、御託はともかくやっぱ面白れーやの一言。
12年前と同じ感慨を再び味わっておる次第です。