ここ2、3年サッカーから遠ざかり気味だった自分が一時的にWOWOWに加入してでも今回のユーロは観なければと思う理由・前編
ユーロの観戦で寝不足の日々が続いている。
さすがに全試合生観戦というわけにはいかないが、抑えておきたい主要な試合はリアルタイムで観ないことにはどうしようもない。
事務方として働いている自分は、今日はチェック作業を膨大に抱えており、正直ヤバい。眠い。寝てしまいたい。
そんな状況であっても、今回のユーロは極力見逃さないようにしていきたいなあと。
ここ数年サッカーからは遠ざかり気味だったにも関わらず、もう若くもない身体に鞭打って、夜中テレビに向かう日々なのである。
かつてこの日本には、Jリーグ開幕から、日本のW杯初出場を経て、日韓共催の2002年に至るまでの約十年間。空前のサッカーブーム、狂騒のディケイドが到来していた。
(合間合間に盛り上がりの波はあったが)
何でも物事を斜めに見たがるクソガキだった自分は、世の中のはしゃぎっぷり、浮つきっぷり、選手たちのチャラつきっぷりがどうにも生理に合わず、「サッカー? 全然興味ないっすね」というバカリズム的なスタイルを気取っていた。
不幸なことに我が家は母と兄が大のサッカー好きで、しかも録画機器の導入が一般的な家庭よりだいぶ遅かったので、よくアニメやバラエティを観たいにも関わらず、母兄がサッカー中継からチャンネルを替えてくれずに歯嚙みをしたものである。
このあたりの感情は、三十代後半以上の方には、父親とナイター中継に置き換えれば容易に共感していただけるだろう。
そんなことも相まって、サッカー嫌いが募っていた自分を180度転換させてくれたのが、ユーロ2004だった。
日本で留守番の自分、ちなみに当時月収10万円前後のすねかじりフリーターだった自分は、やることもないし、カーチャンとニイニイが観に行ってるユーロとかいうサッカー大会でも観てみるかと思い、リモートコントロールを操作した次第。
面白ぇじゃん。
そう。ごく単純な真理として、サッカーというスポーツは面白いのである。
自分がサッカーをあまり良く思っていなかったのは、それに付随する色んな要素が好みに合わなかっただけなのだ。
アスリートたちが仲間と協力し、技術を披露し、敵の裏をついたり、ルールに縛られたり逆に上手く利用したり、様々な駆け引きを繰り出して勝利を目指しながらも出会い頭やつまらないミスで全てが決してしまうこともあったりする団体競技が面白くないわけがない。
後年の将棋や競馬と同様、強烈にのめり込んだ自分は、母親が購読していたワールドサッカーダイジェストをバックナンバーも含めて片っ端から読み尽くし、グループリーグの数試合を現地観戦してきた母兄が帰国してきた頃にはすっかり各国の選手たちにも詳しくなっており、決勝トーナメントを親子三人で仲良くテレビ観戦したのでした。めでたしめでたし。
ちなみに父親はサッカーに全然興味なく、ルールもよく把握していないにも関わらず、茶の間で中継観てるときに居合わせると、やれこいつは下手くそだの、今のがオフサイドかよー(完璧オフサイド)だの、阪神ファンのごとくあーだこーだ騒ぐので家族内で煙たがられています。今でも。
(続く)